壁面緑化

造園会社の重層下請構造から見た元請と下請の仕事内容の違いを紹介!

造園会社は、建設業に分類される業種です。建設業は、重層下請構造という、元請と下請の関係性で成立しています。

元請と下請では仕事内容に大きな違いがあります。これは造園会社にもいえることです。

志望する会社が元請と下請どちらをメインにしているにせよ、その違いを理解しておくことが重要になります。

それが分かっていれば、転職活動に大いに生かすことができます。例えば、自分は元請として、あるいは下請として、こういう経験や実績があるとアピールするための準備ができるからです。

「業界に精通している」として、評価が高まることもあります。ぜひ、あなたの転職活動の参考にしてください。

造園会社の元請と下請では建設業許可が異なる

公園のガーデン

他の建設業と同様、造園会社が工事を請け負うには、建設業許可が必要です。

元請と下請で建設業許可が異なる場合がありますので、まず、建設業許可のポイントについて紹介します。

建設業許可の種類について

花に溢れる日時計

建設業許可は、元請下請を問わず、500万円以上の工事を受注する場合に必要になります。

建設業許可には、一般建設業と特定建設業があります。

一般建設業は、工事を下請けに出さない(自社だけで施工が完結できる)、下請に出す場合でも1件の工事代金が4,000万円未満(建築一式工事では6,000万円未満)に限られた許可です。

特定建設業は、下請に請け負わせる代金の金額が4,000万円以上(建築一式工事では6,000万円以上)となる場合に取得します。

さらに、指定建設業というのも7業種あります。

この7業種は、建設業の中でも特に「社会的責任が大きい」業種とされ、工事の専任技術者は実務経験だけでは認められません。1級の国家資格者、または国交省大臣特別認定者である必要があります。

元請は一式工事を請負う

芝生の広場

土木一式工事は、「総合的な企画、指導、調整のもとに建築物や土木工作物を建設する工事」と定義されています。通常、元請となる場合は、この許可が必要です。

※引用元|国土交通省

前述の7業種のうち、土木一式工事業と建築一式工事業が該当します。

元請は、公園、道路、橋梁など高度な専門技術が求められる工事を施工するために、プロジェクトのリーダーとして管理監督し、工事完成まで全責任を負う立場となります。

一式工事の建設業許可を取得して工事を請け負った元請は、同一工事の専門工事を施工できないというわけではありません。その工種を施工するために必要な国家資格者がいれば施工することができます。

下請は専門工事を請負う

葉の落ちた木が並び立つ公園

専門工事は、全29業種のうち、一式工事2業種を除いた27業種になります。

建設業許可の業種区分で、造園工事業の内容は、「整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事」となっています。

※引用元|国土交通省

例えば、土木一式工事を取得した元請が道路の新設工事を請負った場合、造園工事業者は街路樹の植栽部分を請け負うということになるのです。

元請造園会社は総合建設業として工事全般を担う

木々が並ぶ広場の少し上空から見える隣の道の工事

土木一式工事の建設業許可を取得して元請となり、工事全体の管理を担う建設会社を「総合建設業」といいます。簡単に、ゼネコンと呼ばれることも多いです。

この総合建設業という事業を行う建設会社は、どのようにして工事全般を担うのかを見ていきます。

営業

家の模型

総合建設業の営業の仕事は、取引先である官公庁や民間会社をまわり情報収集し、受注するための戦略を練ることから始まります。そのための企画提案、参考見積提出なども営業の仕事です。

次に、入札の対応から受注までの一連の業務を担当することになります。会社によりますが、入札の積算業務を営業が担当することも多いようです。

民間会社や個人では、現場立会から見積書の作成、価格の交渉、工程のすり合わせなど工事全般で調整役となります。

設計

製品の図面

総合建設業の設計担当部署には、大きく2つの役割があります。

1つ目はクライアントの要望を聞きながら、デザイン性や利便性、耐久性を考慮しながら設計図面を作成することです。

2つ目は、設計事務所と現場との橋渡し役になることです。原本となる設計事務所の図面を、現場状況や使用部材に合わせて編集し直さなければなりません。

民間工事では特にそうですが、規模が大きく工期が長いほど、設計は重要性を帯びてきます。

設計図面は、常に最新の現場状況に更新されていて、クライアント(発注者)と共有されなければならないからです。

積算

白紙の御見積書

積算とは、設計図書や仕様書から材料や数量を拾い出し、歩掛と呼ばれる単価を掛け、適切な経費率を用いて工事価格を算出することをいいます。

最近では、積算用ソフトを導入する会社がほとんどです。例えば、官公庁で使用しているソフトと同等以上のソフトを使って、1円単位で予定価格に合わせることが普通になりつつあります。

規模の大きな工事ほど、価格だけでなく、総合評価方式で落札会社が決定する傾向にあります。ただ、積算による正確な工事価格が分からなければ、自社にとってその工事が入札参加に値するものかは分かりません。

積算の重要性は今も変わっていないのです。

施工管理

工事内容掲示板

総合建設業において、施工管理は、重要な仕事の一つです。

管理項目としては、「安全」「品質」「工程」「コスト」が柱となります。最近では、産廃やリサイクルなどの環境関連も重要な管理項目となっています。

公共・民間を問わず、規模が大きくなるほど、工種や作業者の数は多くなり管理の難易度は高くなります。

綿密な計画と施工体制、現場状況の変化に対応できる臨機応変さ、元請と下請の連携のスピードと正確性など配慮すべき事項は数多いです。

しかし、難しい工事であればあるほど、竣工したときの達成感は大きくなります。

下請造園会社は専門業者として工事を施工する

土手に貼られたブルーシート

建設業許可29種のうち、土木一式工事と建築一式工事を除いた27業種が専門工事業です。下請は、工事全体のうち、専門工事業の建設業許可を取得している工種だけを施工することになります。

一般的な工事では、下請は三次下請けまでが多いです。大規模工事では、四次五次まで施行体制に加わることもあります。

一次下請、二次下請、一人親方を例として紹介します。

一次下請

小川で泥水を救うショベル

一次下請になる造園会社には、一式工事や特定の許可も持っていて、総合建設業として元請もできる会社が多いです。

あくまで一例ですが、以下は、大まかな人員配置です。

・積算から入札対応、ルート営業までこなす営業担当者が1~2名
・現場代理人や主任技術者ができる資格を持つ造園技術者が数名
・現場で働く職人が10名程度

営業的な仕事は、社長自らがこなす造園会社が少なくありません。

二次下請

ガラス張りの大きなビルと植栽

二次下請以下は、下請メインの会社が多く、一定の元請・一次下請の下につくことが多く専属性が高くなります。

以下は、社内の人員配置の一例です。

・現場の作業と営業もこなす職人気質の社長
・実務経験が長く技術力のある職人が数名

資格についても、施工管理ではなく、技能士や街路樹剪定士など実務系の資格取得者がほとんどです。資格よりも実務経験を重視する風潮もあります。

一人親方

山の脇の小川の工事中

現場を施工するのに、どうしても人手が足りない、この作業に手慣れた作業者が欲しいというときに応援を頼まれるのが一人親方です。

一人親方は、会社組織に属さず、保険も労災も自分で掛けます。たまに、手伝いを呼ぶこともありますが、本当の身内か親しい知人だけというのがほとんどです。

社会保険や厚生年金を抑制したいと考える大手が、一定数存在するため、一人親方の需要は増加傾向にあります。

まとめ

壁面に整列された蔦

建設業では、何か一定以上の仕事をするのに、許可や資格が必要です。

造園会社が元請として仕事をするには、一式工事や特定建設業の建設業許可が必要ですし、現場の管理をするには国家資格の施工管理技士の資格が必要です。

工事の下請をする際にも、該当する工事の専門工事業の許可や資格が必要になります。

造園会社を志望する転職先に決めたあなたは、転職先で活躍するために、どんな資格が必要なのか調査しておくべきです。それが失敗しない転職につながります。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。