工事現場を斜め上空からとった写真

一人親方と個人事業主は違う?保険や税金は?【独立前に知っておこう】

「一人親方と個人事業主の違いを知りたい」
「保険や税金関係は会社員と違うの?」
「ついでに一人親方にオススメの職種も知りたい」

こんな疑問に答えていきます。

これから一人親方や個人事業主になろうとしている方にとって、「一人親方と個人事業主はどう違うのか」というのは気になるところですよね。

一人親方と個人事業主は似ているので、同じものだと思っている方も多いかもしれません。

結論から言うと、一人親方と個人事業主には違いがあります。

この記事では、そもそも個人事業主とはどういうものか、一人親方との違いについて詳しく解説していきます。

各種保険やおすすめの業種も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

そもそも一人親方って?個人事業主って?

クエスチョンマークの吹き出しを持つ人

個人事業主はその名のとおり「個人で事業を行っている人」のことです。そして、一人親方は個人事業主の一つになります。

しかし、個人事業主と一人親方には微妙な違いがあります。

ここでは、個人事業主や一人親方として事業を始める際に必要となる「開業届」と合わせて、具体的な違いをお伝えします。

開業届とは?

開業届とは、個人事業を始める際に税務署に提出する書類のことです。正しくは「個人事業の開業・廃業届出書」といいます。

事業を開始したら、1ヶ月以内に開業届を出すのが好ましいとされています。

開業届の入手の仕方は、国税庁のホームページからダウンロードするか、税務署から貰う方法があります。

提出の仕方は、税務署に持っていくか、e-taxを利用する方法があります。

e-taxとは、開業届や所得税の申告などをインターネットを利用して手続きできるシステムです。

一人親方とは?

一人親方とは、労働者を雇わずに単独で事業を行っていて、特定の7業種で収入を得ている人を指します。

【特定の7業種】

  • 個人タクシー業者、個人貨物運送業者
  • 大工・左官・とび職人などの建設業者
  • 漁船による水産動植物の採捕業
  • 林業
  • 医薬品の配置販売
  • 再生利用目的となる廃棄物処理業
  • 船員が行う事業

となっています。

特定の7業種に当てはまる場合でも、元請けの企業に管理されていたり、工具や道具などを提供されている場合は、一人親方ではなく雇用者と判断されることもあります。

基本的に一人親方は単独で事業を行いますが、従業員を雇えないわけではありません。ただし、雇用する期間が「年間99日以下」に限られます。

年間100日以上雇用したい場合は、従業員を雇用保険に加入させる必要があります。雇用契約書の作成や、5人以上雇う場合は社会保険の加入も必要です。

また、家族が事業を手伝っており、給料を支払っていたら個人事業主です。逆に家族が事業を手伝っていても、給料を支払っていない場合は一人親方です。

つまり、複数で仕事を請け負うことはできるけど、雇用関係にあってはいけないということになります。

判断が難しい場合、「国土交通省 一人親方抑制対策」のチェックリストをご覧になってみてください。

個人事業主とは?

個人事業主とは、会社と雇用契約を交わしておらず、個人で事業をしている人のことです。

学生や主婦、サラリーマンやフリーター、誰でも税務署に開業届を出せば個人事業主になることができます。前述したとおり、一人親方も個人事業主に入ります。

事業主単体や家族経営が多いですが、従業員を雇うことも可能です。現代では主に、自由な働き方や収入アップを目的として個人事業主になる方が多くなっています。

一人親方にできる事、法人化もできる?!

パソコンと電卓

結論から言うと、一人親方は法人化することができます。

この章では、一人親方の保険や税金、給付金や補助金について、法人化した場合について解説していきます。

各種保険について

一人親方は個人事業主なので、雇用保険、健康保険、厚生年金、労災保険の対象外です。

しかし一人親方は、「労災保険特別加入制度」を利用すれば、労災保険組合に加入することができます。

労災保険組合に加入すれば、仕事や通勤でもケガ、病気などで働けなくなった、死亡したときにも補償を受けられます。

ただし、1年に100日以上労働者を雇う、または雇用契約を結ぶ場合は、労災保険特別加入制度は利用できなくなるので注意してください。

また法人化すると、社会保険すべて(労災保険、雇用保険、厚生年金、健康保険、介護保険に加入する義務があります。

各種税金について

一人親方が収める税金は4つあります。

【所得税】
個人の所得に対してかかる税金です。1月1日〜12月31日に得た収入に対して課税されます。翌年の3月31日までに、税務署に確定申告して納付する必要があります。

【住民税】
教育や福祉のために使われる地方税のことです。所得税の確定申告後に、納付書が送られてきます。

【事業税】
所得が290万円以上の場合、収めなければならない税金です。

【消費税】
開業後の2年間は全額免除です。

一人親方の年間課税売上が1000万円以下の場合「免税事業者」になるので、消費税の納付は免除されます。

2年前の課税売上高が1000万円を超えていた場合、「課税事業者」になり、消費税納付の義務が発生します。

法人化した場合、所得税ではなく、法人の所得に対してかかる「法人税」がかかります。

法人化すると、法人税に加え、地方法人税、法人住民税、法人事業税、消費税、印紙税など、多くの税金を払わなければなりません。

取得可能なお金?

一人親方は、給付金や補助金を受けられる可能性があります。しかし、その年によって制度が変わるので、一人親方全員が受けられるわけではないので注意してください。

2022年5月現在の、一人親方が受けられる可能性がある給付金・補助金は、「受動喫煙防止対策助成金」です。

対象者

  • 労働者災害補償保険の適用事業主
  • 中小企業事業主

厚生労働省によると助成対象は、「一定の要件を満たす専用喫煙室、指定たばこ専用喫煙室の設置に必要な経費」となっています。

喫煙専用室の設置や改修、または、指定たばこ専用喫煙室の設置・改修が対象です。助成額の上限は100万円とされています。

詳しい条件は「厚生労働省 受動喫煙防止対策助成金 職場の受動喫煙防止対策に関する各種支援事業(財政的支援)」をごらんください。

一人親方でも取得できる、建設業許可とは?

背の高い重機

請負金額500万円以上の工事(材料費、消費税を含む)を行うときに必要となるのが「建設業許可」です。

多くの工事現場で必要となってくるこの「建設業許可」は、一人親方でも取得できます。

ただし以下のいずれかの条件に当てはまる必要があります。

  • 受けようとする許可業種で5年以上の経営経験
  • 受けようとする許可業種以外の業種で6年以上の経営経験

建設業許可は、業種別に許可を取る必要があり、有効期間は5年間です。

建設業許可を取得できれば、500万円以上の工事を受注できるようになるだけでなく、まわりの信用も得られるので非常にメリットが大きいです。

一人親方にオススメの業種

こちらに向けて指を指す写真

一人親方になるのにオススメの業種を見ていきます。

【大工】
ノミやノコギリといった道具を使い木造建築物を作る仕事です。

住宅を作るのに必ず必要となるため需要が高く、一人親方の職種は大工が最も多いとされています。

一人親方として独立するには、高い技術力だけでなく、現場を取りまとめる能力も必要になります。

【左官】
住宅やビルの壁や床などを、コテを使って壁塗りする仕事です。

左官も大工と同じく需要が高い職種です。住宅からビルといった、多くの建築物、土木構造物で左官の技術が必要になります。

技術の習得は簡単ではないですが、大きな建設現場から住宅まで幅広い現場で活躍できる職種です。

【造園】
住宅の庭や公園などの空間を作る仕事です。庭園、マンションの屋上緑化、遊園地、街路樹など、人々が利用する空間をデザインする仕事も豊富にあります。

施工だけでなくメンテナンスも行うので、建築、土木、植物の総合的な知識が必要な職種です。

一人親方になる際は、技能資格だけでなく、重機の資格も取得しておくと仕事の幅が広がります。

【溶接】

ビルやマンションといった構造物の柱を、溶接して繋ぎ合わせていく仕事です。近年は鉄筋コンクリート造の建物が普及しているため、非常に需要が高くなっています。

溶接の資格はアーク溶接やガス溶接など、いくつかの資格があります。素材や場所によって溶接方法が変わるため、複数の溶接方法を学ぶ必要があり、技術の習得は簡単ではありません。

溶接工の一人親方として安定するには、幅広い知識と、様々な場面に対応できる溶接方法を習得しておけば、仕事の受注につながるでしょう。

一人親方も個人事業主【独立するには営業力が必要】

白い安全ヘルメットを持つ人

今回は、一人親方と個人事業主の違い、各種保険や税金、一人親方にオススメの職種までお伝えしました。

  • 一人親方とは、労働者を雇わずに単独で事業を行っている人(特定の7業種)
  • 個人事業主は、個人で事業をしている人(会社と雇用契約を交わしていない)
  • 一人親方として独立するには、まず開業届を出すこと
  • 一人親方でも「労災保険特別加入制度」を利用すれば労災保険組合に加入できる
  • 一人親方の税金は4つ(所得税、住民税、事業税、消費税)
  • 一人親方は、建設業許可を取得できる

一人親方として独立するなら、最低でも上記は覚えておきましょう。

一人親方として独立し、安定した収入を得るには、確かな腕と交友関係、営業力が必要です。技術力だけではやっていけないのが一人親方なので、独立するときは慎重に考えるべきでしょう。

しかし、事業が上手く行けば高年収も目指せるので、チャレンジしてみるのも良いかもしれません。

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